上下水道工事とは?暮らしを支える「見えないインフラ」の仕事内容と、未経験から携わる方法

蛇口をひねれば水が出る。その「当たり前」を作っている仕事


朝起きて顔を洗い、料理をして、お風呂に入る。私たちが一日に何十回と繰り返しているこの動作は、地面の下に張りめぐらされた水道管がなければ成り立ちません。そして使い終わった水は、これもまた地下の下水道管を通って処理場へ運ばれていきます。

この上下水道の管を新しく敷いたり、古くなったものを入れ替えたりする仕事が「上下水道工事」です。埼玉県志木市の木下建設でも、道路工事や河川工事と並ぶ主力の土木工事として、日々この仕事に取り組んでいます。


ただ、建設業界に興味を持った方から見ると、上下水道工事は少しイメージしづらい仕事かもしれません。ビルや橋のように完成物が目に見えるわけではなく、工事が終われば地面の下に埋まってしまうからです。


この記事では、上下水道工事が具体的に何をしている仕事なのか、どんな流れで進むのか、そして未経験からどうやって携わっていくのかを整理してお伝えします。



上水道と下水道は、まったく性格の違う工事


ひとくちに上下水道工事といっても、上水道と下水道では扱うものも求められることも異なります。


上水道工事:きれいな水を各家庭へ届ける

浄水場できれいにされた水を、配水管を通じて各家庭や施設へ届けるための工事です。道路の下に埋まっている本管から、各建物へ引き込む給水管までが対象になります。

上水道で最も重視されるのは水質を絶対に汚さないことです。工事中に管の中へ土や異物が入れば、そのまま飲み水として各家庭に届いてしまいます。そのため管の切断面の処理から接続部の消毒まで、手順が細かく定められています。


上水道工事は「断水」を伴うことが多く、地域の方々の生活に直接影響する工事でもあります。事前の周知、作業時間の厳守、予定より早く通水させるための段取り。こうした調整力が現場では欠かせません。


下水道工事:使い終わった水を安全に流す

一方の下水道工事は、生活排水や雨水を処理場へ運ぶための管を敷設・更新する工事です。下水道管は基本的にポンプを使わず、勾配(傾き)だけで水を流します。つまり数センチ単位の高さのズレが、そのまま詰まりや逆流の原因になります。


測量の精度がそのまま品質に直結するのが下水道工事の特徴です。また上水道より深い位置に埋設されることが多く、掘削の深さも大きくなります。



上下水道工事は、こんな流れで進んでいく

実際の現場では、おおむね次のような順番で工事が進みます。


  1. 試掘・調査:既設の管やガス管、電線などの位置を確認する
  2. 舗装の切断・撤去:アスファルトを切り、掘る範囲を開ける
  3. 掘削・土留め:管を埋める深さまで掘り、周囲の土が崩れないよう壁を支える
  4. 管の布設:所定の勾配・深さに管を据え付け、接続する
  5. 水圧試験・カメラ調査:漏れや施工不良がないかを確認する
  6. 埋め戻し・転圧:土を戻し、しっかり締め固める
  7. 舗装復旧:道路を元の状態に戻す


このうち掘削の工程では、周囲の土が崩れないように支える土留め工事の技術が欠かせません。地中の工事は、掘る技術と支える技術がセットになって初めて安全に進められます。

特に注意が必要なのが、既設のガス管や電力・通信ケーブルの存在です。図面どおりに埋まっているとは限らないため、必ず試掘で目視確認してから機械掘削に移ります。この一手間を省略することは、絶対にありません。



いま上下水道工事の需要が増えている理由


上下水道工事は、新しい住宅地を造るときだけの仕事ではありません。むしろ近年増えているのは既に埋まっている管を入れ替える「更新工事」のほうです。


日本の水道管の多くは、高度経済成長期からバブル期にかけて一気に整備されました。水道管の法定耐用年数は40年とされており、当時敷かれた管が全国で一斉に更新時期を迎えています。埼玉県内も例外ではなく、志木市周辺でも古い管の取り替えが計画的に進められています。

管が老朽化するとどうなるか。漏水によって水が無駄になるだけでなく、地中で水が土砂を運び去り、道路陥没の原因にもなります。ニュースで見る道路の陥没事故の背景には、地下の管の劣化が関わっているケースが少なくありません。


つまり上下水道工事は、景気に左右されにくく、これから何十年も必要とされ続ける仕事だということです。就職や転職で「この業界に将来はあるのか」を気にする方にとって、ここは押さえておいて損のないポイントだと思います。



完成が見えないからこそ、面白い

上下水道工事の成果物は、工事が終われば地面の下です。橋や建物のように「これを造りました」と指をさせるものではありません。

それでも、この仕事を選ぶ人がいるのはなぜか。ひとつは、生活に直結している実感が強いことです。老朽化した管を入れ替えれば、その地域の断水リスクや漏水が確実に減ります。台風のあとに排水が正常に流れれば、それは自分たちの仕事が効いている証拠です。

もうひとつは、地域の方との距離が近いことです。住宅街の道路を掘る工事では、通行するご近所の方と毎日顔を合わせます。挨拶を交わし、「いつ終わるの」と聞かれ、終わったときに「ありがとう」と言われる。地図に残らない代わりに、記憶には残る仕事です。

大変さも正直にお伝えすると、天候と地中の状態に左右されやすい工事です。掘ってみたら想定と違う地盤だった、雨で掘削面が緩んだ。そうした場面での判断と段取り直しが、経験の積みどころになります。



未経験から上下水道工事に携わるには

結論から言うと、上下水道工事に入るために、事前に取っておかなければならない資格はありません。必要になるのは普通自動車免許くらいで、専門知識は入社してから現場で身につけていく形が一般的です。


実際の流れとしては、まず先輩の補助として測量の手元や資材の準備、書類の作成を担当します。管の種類、継手の名前、勾配の考え方といった基礎は、この段階で図面と現物を突き合わせながら覚えていきます。


そのうえで、小さな現場から施工管理を任されるようになります。木下建設では、施工補助から2級土木施工管理技士、そして1級へと段階的にステップアップしていく道筋を用意しています。資格取得にかかる費用の支援制度もあります。


向いている人を挙げるなら、段取りを考えるのが好きな人、数字やミリ単位のズレが気になる人、そして地元のために働きたいという気持ちがある人です。体力よりも、丁寧さと確認を怠らない性格のほうが効いてくる仕事です。



まとめ


上下水道工事は、完成すれば見えなくなる工事です。しかし見えないからこそ、そこに手を抜かない会社と職人が必要とされています。


毎日の「当たり前」を、地面の下から支える仕事です。

木下建設は埼玉県志木市を拠点に、上下水道工事をはじめとする土木工事と建築工事を手がけています。どんな現場があるのかは仕事内容のページで紹介していますので、あわせてご覧ください。

未経験からのスタートも歓迎しています。


少しでも興味を持っていただけたら、採用情報をご確認のうえ、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。現場見学だけでも構いません。